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第1期開発事業

1.開発したIRシステムの特徴

 本連携取組では、IR(Institutional Research)の考え方を取り入れ、ベンチマーキングによる複数大学間の比較・相互評価を通じた、教育の質保証の枠組みの整備を目指しています。この目的を実現するために、同志社大学、大阪府立大学、北海道大学、甲南大学の4大学は、ベンチマーキングを自動化するIRシステムの開発に連携して取り組んできました。2009年度から要件定義の策定に着手し、2011年3月、IRシステムの第1期開発事業が完了しました。
 このIRシステムは、各大学が固有にもっている学内情報のなかから、大学間で共通するデータをまとめ、学生調査データと統合して集計分析する機能を備えた共用のデータベースシステムです。集計分析結果は、表示したい項目をクリックするだけで閲覧できるよう構築しました。統計ソフトのような複雑な操作は必要ありません。このIRシステムには、IRiSという通称がついています。IR(Institutional Research)に用いる情報やデータ(Information)を登録し、インターネット(Internet)を経由して集計分析結果を閲覧するシステム(System)という意味です。IRiS の “ i ”は InformationとInternetの2つの“ I ”を兼ねています。

IRシステム概念図

本事業で構築したIRiSには、次のような4つの特徴があります。

【特徴1】クラウド型データベース
【特徴2】共用データベース
【特徴3】簡単操作で、わかりやすい結果表示
【特徴4】相互比較を活用した自校の現状評価

【特徴1】クラウド型データベース

 IRiSはクラウド型のデータベースシステムです。インターネットを経由して、どこからでも利用できます。IRiSに接続するために、利用者のパソコンに特別なアプリケーションは要りません。ただし、グラフ表示アプリケーションとしてAdobe Flash Player 9以上をインストールしておく必要があります。
 学生調査に参加した全大学の集計結果はどなたでもご覧いただけますが*1、強固なセキュリティ対策を施していますので、集計前のデータが外部に漏えいする心配はありません。

■動作環境

OS Microsoft Windows XP、Microsoft Windows Vista、
Microsoft Windows 7
Mac OS X 10.5 以上
ディスプレイ 必要解像度:1024 × 768 以上
推奨解像度:1280 × 1024
ブラウザソフト Microsoft Internet Explorer 7、
Microsoft Internet Explorer 8
Mozilla Firefox 3.6 以上
Apple Safari 4.0 以上
グラフ表示アプリケーション Adobe Flash Player 9 以上

*スマートフォン・携帯電話には対応していません

【特徴2】共用データベース

 各大学が個別に保有する学内情報のうち、教育改善、教育の質保証に関連性をもつデータ項目を選び、共通の定義とフォーマットによってデータを収集します。このようにして収集した学生環境データと、学生調査データを統合する機能を、IRiSは実装しています。そして、IRiSを通じて、大学間でデータを共有できるようなシステムを構築しました。
 学生環境データは2種類のデータに分けてIRiSに登録します。1つは各大学の基礎的な情報です。学生数や教員数をはじめとした大学の施設・設備に関するデータや就職情報等が含まれる大学基本情報です。もう1つは、学生調査に回答した学生に関する出身高校や入試区分といった入学関連データ、履修状況やGPA、単位取得状況等からなる教務情報です。学生の教務情報と学生調査データは、各大学で匿名化処理を施したうえで、別個に登録し、IRiSのシステム内部で統合処理をおこないますので、分析段階で学生個人が特定されることはありません。
 匿名化処理には、本事業で別途開発した「IRツール」や「匿名化ツール」を活用しています。これらのツールを活用することで、すべての情報は学生個人を特定化することができない状態になりますので、各大学の情報セキュリティポリシーに沿って、各種データを収集することが可能になりました。

【特徴3】簡単操作で、わかりやすい結果表示

 このIRiSは、個別大学内のさまざまな情報を収集して、数値化、可視化し、評価指標として管理して、その分析結果を教育・研究、学生支援、経営等に活用するIRの考え方に立脚しています。このコンセプトに沿って、各大学から収集したデータを数値化、可視化できるような集計分析機能をIRiSに実装させました。単純集計、クロス集計といった基本的な集計方法に加え、項目同士を比較する機能や、同一個人の変化をみる機能も備えています*2。さらに、データを蓄積することで、経年変化を調べられるシステム設計になっています。
 集計分析の結果は、当該データ項目をクリックすれば閲覧できます。統計ソフトのような複雑な操作が必要ないので、どなたでも利用できます。しかも、集計分析の結果は表とグラフで表示されるため、直感的に理解できます。グラフは、棒グラフ、積上げ棒グラフ(帯グラフ)、円グラフ、折れ線グラフ、ヒストグラム、バブルチャート、レーダーチャートなど多数を準備しており、集計項目に適したグラフが表示できるよう、あらかじめ設定されています。

ログイン画面

本事業の加盟校には、専用アカウント(ログインID)を発行。ログインすると自学分の集計結果を閲覧したり、全体・ベンチマーキンググループ(共通の特徴を有する大学のグループ)との相互比較ができます。

基礎集計結果一覧

クリックするだけで、各大学から登録された各種データの集計結果を閲覧できます。単純集計、クロス集計、設問同士の比較、同一個人の変化などの基本的な集計機能を実装しています。

集計結果

集計結果は、表とグラフで表示されます。表は、CSV形式でダウンロードできます。グラフは棒グラフ、積上げ棒グラフ(帯グラフ)、円グラフ、折れ線グラフ、ヒストグラム、バブルチャート、レーダーチャートを準備。集計項目に即したグラフが表示されるよう設定されています。

【特徴4】相互比較を活用した自校の現状評価

 本連携取組の学生調査に参加している大学には専用アカウントを発行します。ログインIDとパスワードを使って専用サイトにログインすると、自校の集計結果を確認することはもちろん、集計表をCSV形式でダウンロードすることができます。さらに、学生調査に参加した大学全体やベンチマーキング・グループの集計結果と自校を相互比較できる機能を利用できます。相互比較機能を使うことで、自校が提供する教育やその成果の強み、弱みを視覚的に把握することが可能になります。この結果を個別大学での教育改善や教育の保証に結びつけていく取組を、4大学で進めています。

2.使用できる機能

 IRiSにはさまざまな機能がありますが、本連携取組の学生調査に参加している大学(加盟大学)と、非加盟大学・一般ユーザとでは、使用できる機能が異なります。

■各ユーザが使用できる主な機能

  加盟大学 非加盟大学
(一般ユーザ)
集計結果の閲覧 調査に参加した大学全体の集計
ベンチマーキング・グループ別の集計 ×
個別大学(自校)の集計 ×
単純集計結果のドリルダウン ×
各種集計表のダウンロード(CSV形式) ×
相互比較(自校の結果を、調査参加大学全体や
ベンチマーキング・グループと比較する機能)
×
集計分析のもととなる各種データの
登録およびダウンロード
×

3.今後の展望

 IRシステム開発の第2期に入った今年度は、集計機能や集計結果の表示機能を充実させたり操作性を高めたりすることで、より実効性のあるシステムづくりに取組んでいます。また、学生調査の導入・実施がより簡便になるよう、Webアンケートシステムの提供も現在検討中です。このIRシステムの機能を活用しながら、IRを通じた客観的なデータに基づく現状評価文化を高等教育機関全体に広げていくことを、長期的な視点で目指しています。

この情報はすべて2011年8月1日現在のものです。

*1 本システムおよびサーバのWebサイトに掲載している画像、文章、集計結果等すべてのコンテンツは本連携取組4大学(同志社大学、大阪府立大学、北海道大学、甲南大学)に帰属します。無断で複製、転載、配布、編集等することを禁じます。本システムおよびサーバのWeb サイトに掲載されている内容を、他の媒体で使用する場合は事前に、同志社大学高等教育・学生研究センター事務局までご連絡ください。
*2 同じ学生が異なる年度に実施された学生調査に回答した場合、匿名化処理を施した学籍番号を比較することによって同一人物であるか否かを判断することはできますが、学生個人を特定することはできません。