目的
大学IRコンソーシアムの卒業生調査は、平成24年度採択 文部科学省 大学間連携共同教育推進事業「教学評価体制(IR ネットワーク)による学士課程教育の質保証」の実質化を推進する取り組みの一部として、大学教育の職業的レリバンス(大学教育を通じて身につける能力と社会で求められる能力のミスマッチ)の検証を行うことを目的とし策定されました。
具体的には、在学中の学士課程教育への評価と、就職後に必要とされた知識、経験、技能、態度を調査し、大学教育と大学卒業後のキャリア形成の関連性を解明し、各大学のカリキュラム改革、教育組織改革に資する情報を収集・分析することを目指しています。
また、社会が学生に期待することと、実際の学生の能力の差を見て、それを大学の執行部に伝えるというIRの役割に沿うものにもなっています。
調査内容
大学IRコンソーシアムの卒業生調査項目は、大学間連携共同教育推進事業「教学評価体制(IR ネットワーク)による学士課程教育の質保証」に設けられた卒業生調査研究委員会に、産業界からのステークホルダーも参加し、検討・試行をを重ねてきた卒業生調査設問を基に策定されました。2018年度からの試行を経て、調査・活用部会で調査項目を確定し、2019年度調査データからIRシステムでの閲覧が可能になりました。
一部設問では、学生調査と共通の設問を設けていますので、時系列変化などについて分析・比較が可能になります。
例えば、「能力や知識の変化」について、「大学入学時(一年生)」「大学在学中(上級生)」「現在(卒業生)」それぞれの時点の差異を求め、大学教育で得られた能力と、卒業後に得られた能力を比較することができます。
また、卒業生調査の共通調査項目に自学独自の設問を追加し、カリキュラムや組織の変化による影響を検討する事も可能です。
主な調査項目は、以下の通りです。
卒業生調査 共通調査項目
主要調査項目 |
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回答所要時間 | 15分程度 |
実施方法
調査対象者の範囲 | 自学卒業生(学部卒業生が対象) |
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対象年 | 原則、学部卒業後5年・10年・15年目 ※任意に設定する事も可。ただしIRシステムでの閲覧時に制限あり。 |
調査方法 | ・Webアンケート(当会より配布された調査項目データを、自学のアンケートシステム等へセットアップする) ・大学独自の方法(独自に作成したマークシート等) |
調査時期 | 7月から翌年3月末で任意設定 |
データ登録の標準的なスケジュール
7月~翌3月 |
卒業生調査の実施 (例)
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調査終了後 |
当該年度に実施した調査回答のデータ化 ※コードブックに従い、登録データフォーマットに合わせてデータ化 |
5月頃 |
卒業生調査データの登録 |
7月頃 |
卒業生調査集計結果の公開 |
IRシステムでの閲覧
分析軸
各ダッシュボードで設定できる分析軸等は以下の通りです。
- 対象データ(全大学、国公/私、文/理/保、自学)
- ※自学データは学部、卒業年度も選択可
- ※クロス集計ボードでは自学データのみ選択可
- 卒後経過年(5年/10年/15年)
- 性別(男性/女性)
- 初職就業状況(正社員/それ以外)
- 現職就業状況(正社員/それ以外)
ダッシュボード
学生調査のダッシュボードとは別に、4つのダッシュボードがあります。
相互比較
質問の回答内訳を比較し、折れ線・100%積み上げ縦棒で表示します。3つの対象を選んでの比較が可能です。全大学と自学、自学の学部別、卒業経過年別等の比較が可能です。 学生調査で可能な大学間相互比較、専門分野相互比較は卒業生調査では対応していません。